「質問する」とは?メリットやコツを解説

コーチングは、相手に気づきを与え行動へと導くためにあり、ビジネスのシーンにも必須なスキル。今回は、コーチングの基本スキルの一つである「質問する」について解説します。

この記事はこのような方のお役に立ちます

ビジネスの場における効果をお伝えしますので
・部下の育成に悩んでいる方
・メンバーに『考える』ことを促したい方
・新しいアイデアを引き出したい方
・ブレストを活発にしたい方
など

コーチングの基本スキル「質問する」とは?

コーチングにおける「質問する」と、日頃のコミュニケーションにおいて使用する「質問」は、何が違うのでしょうか?一般的な「質問」の目的は、質問する側の「情報収集」のために行うことがほとんど。
しかしコーチングの「質問」は、質問される側の「気づき」を与えるために行います。つまり、通常の「質問」は質問する側のため、コーチングの「質問」は質問される側のためと、目的が異なるので注意が必要です。

一般的な質問(質問する側の情報収集)

ゆりなさん

ななこさん、運動することは好きですか?

ななこさん

はい、好きです!

ゆりなさん

どんな運動をするんですか?

ななこさん

ランニングが好きです。

ゆりなさん

いつからやっているんですか?

ななこさん

中学生からです



どんな質問をすれば良い?質問のやり方を解説

質問には、「オープンクエスチョン」と「クローズドクエスチョン」があります。
「オープンクエスチョン」は、5W1Hを使っており、相手が自由に答えられる質問。一方、「クローズドクエスチョン」は簡単に、もしくはYESかNOで答えられる質問です。
コーチングでは、基本的に前者の「オープンクエスチョン」を使用しますが、状況によっては「クローズドクエスチョン」を使用することもありますので、以下で詳しくみていきましょう。

答えを引き出す質問

「答えは相手の中にある」と捉え、丁寧に引き出すことが重要です。
このとき「オープンクエスチョン」を使用し、相手が自由に答えられるようにします。
● どの部分がわからないか、具体的に教えてくれるかな?
● どうしたら、もっと効率的にできると思うかな?
このように回答範囲が広いため、相手の答えを引き出すことができます。

考えを深める質問

未来に考えを向ける質問をし、相手がより深く考える時間を与えます。
● これをしたら、どのようなことが起きるかな?
● こうしてはいけないのは、なぜだと思う?
● 解決するには、どのような方法があると思うかな?
考えを深めることで発想力や想像力が生まれ、気づきや発見にもつながるでしょう。

確認する質問

広がってしまった話題をしぼり込むために、相手の考えを確認することも必要です。その際には「クローズドクエスチョン」が有効。例えば「何から手をつけたら良いかわからない…」という相談に対して、「この中のどれを一番に優先させるべきと思うかな?」と相手の意思を確認する方法として使用します。初対面の相手や、最初の質問として使用するのが有効的でしょう。

「気づき」につながるコーチングの質問

以上のことを踏まえた気づきにつながるコーチングの会話をご紹介します。

まゆみコーチ

ななこさんはどのような運動をすることが好きですか?

ななこさん

ランニングが好きです

まゆみコーチ

ランニングいいですね。ランニングをすることはななこさんにとってどのような良いことがあるのですか?
(答えを引き出す質問)

ななこさん

ランニングをやることで、ストレス解消になります。走っている時は他のことを忘れて集中することができます!

まゆみコーチ

ストレス解消になるのですね。ななこさんにとって、他のスポーツとランニングの違いはなんですか?
(考えを深める質問)

 ななこさん

ん〜・・・そうですね・・・
ランニングは1人で楽しむことができるし、道具も特にいらないので、やりたいときにいつでもできる気軽さや自由な感じは私にはとてもあっています!!

まゆみコーチ

自由な感じがあっていると感じているのですね!自由な感じを得ることがストレス解消につながっているのですか?
(確認する質問)



質問するときのポイント

ここでは、質問するときのポイントを解説します。以下のポイントを抑えておくことで効果的に部下の気づきの促し、引き出しにつながります。

「詰問」にならないようにする

「詰問」とは、相手を責めながら問い立てること。質問の仕方やタイミングによっては、「詰問」になってしまう場合もあります。

そんなことをする意味あるの?
それをして何の役に立つの?
その仕事はいつ終わるの?

このように、詰め寄った言い方にはならないよう注意しましょう。

「誘導尋問」にならないようにする

あまり時間のない中で質問すると「本当はこうしてほしい!」という意図が働いてしまい、気づかぬうちに誘導的な質問になることも。「こうしてほしい」という考えは一度捨て、相手が自ら答えを生み出せるよう導きましょう。また、自分自身の質問が誘導的になっていないか、常に意識しながら行うことが大切です。

答えが出るまで待つ

部下は、上司よりも知識がないことは当たり前です。つい答えを先に言いたくなってしまいますが、質問をしたらすぐに答えを言わず、相手の回答を待ちましょう。その時間こそが、部下の成長を促します。

質問することでどうなる?メリットを解説!

質問することで、どのようなメリットが生まれるのでしょうか。詳しくみていきましょう。

頭の中にあるものが整理できる

人に教えられて計算式を解くよりも、自分自身で解いた方が内容の整理、理解ができますよね。それと同じように、質問された相手は自分で答えを導き出す過程で、頭の中を整理することができます。頭の中が整理されることで、問題点を明確にすることにもつながるでしょう。

視点が変わる

「どうしてそうなったと思うのか」「どうしたら良いと思うのか」と、原因や要因を引き出すことで、いつもとは違う視点から問題を見つけ出すことができます。部下が行き詰まっていたり、ゴールが見えずに悩んでいるときこそ、ぜひ「質問」をしてみてください。捉え方を変えるだけで、打開策が見つかることもあります。

新たな発見ができる

「改善するためには、どうすれば良いと思うか」と未来を想像することで、想像力や発想力が豊かになり、新たな発見へと導くことができます。質問によって考えるきっかけを作り、思ってもいなかった気づきや発見を促すことができるでしょう。

行動を促せる

質問によって課題を深堀りすることで、解決への糸口を見つけることができます。自分の中から出てきた気づきにより、自然と自分で考え行動できるようになるでしょう。「部下がなかなか自分から動いてくれない!」と悩んでいるケースにも効果的です。

まとめ

上司の「質問する力」は部下とのコミュニケーションにおいて、とても重要なスキルと言えます。どのコーチングの基本スキルにも共通しているのは、自分のためではなく、相手のために行うものということ。相手がゴールにたどり着くためのサポートを行うことが目的であることを忘れずに、実践してみましょう。
ただし注意したいのは、コーチングの基本スキル「傾聴」を飛ばして「質問」をしようとすると、「詰問」になってしまうこともある点。部下が「上司に言わされてしまった」とならないよう、丁寧に話を聴くという姿勢が大切になります。

上司の質問によって部下は成長できる!

発行者

下田まゆみ(公式プロフィールはこちら
Entresh(アントレッシュ)
経営者・事業主のエグゼクティブコーチ
女性管理職の自信を育てるコーチング
ICF(国際コーチング連盟)認定プロフェッショナルコーチ(PCC)
GCS認定プロフェッショナルコーチ
GCS認定講師(青山渋谷校講師)

下田まゆみ

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