“ペーシング”で極める!心を開いてもらうコミュニケーションスキル

コーチングの基本スキルともいわれる「ペーシング」をご存じですか?
部下の育成に不安を感じている幹部や上層部の方は、ペーシングを活用することで、社内での信頼関係を築くことができたり、チームの成長を加速できる、などのメリットが得られます。今回は、実践することで、意識高く仕事に向き合う環境作りにつながる、ペーシングの実践方法や効果をお伝えします。

この記事はこのような方のお役に立ちます

  • 部下との信頼関係を築きたい方
  • チームメンバーのモチベーションを上げていきたい方
  • お客様への営業が苦手と感じている方
  • 上手な聴き役になりたい方

    など

「ペーシング」とは?

ペーシングとは、「相手に合わせる」という意味を持っています。行動や仕草など表面的なところを似せていく“ミラーリング”に対して、話す速度、トーン、テンションなどを、意図的に似せていくのがペーシング。日頃のコミュニケーションに取り入れ習慣づけることで、相手に「この人、私と一緒(似てる)!!」と思わせることができます。
例えば、異業種交流会でたまたま隣に座った人と同郷だとわかると、親近感が湧いてきた、という経験などはあるかと思います。このように、人は自分と『同じ』という人に親近感を感じ、信頼感が湧いてきます。これを意図的に起こしていくのがペーシングです。

ペーシングのポイント

相手に合わせるペーシングには、主に3つの手法が挙げられます。具体例も挙げますので、ぜひ実践してみましょう。

話し方を合わせる

「話すスピード」「声のトーン」は、話し方の中で重要なポイントになります。
例えば、「ゆっくりと買い物がしたい」と店に入ったときのことをイメージしてみてください。すぐに店員が駆け寄ってきて、手に取る商品すべてにガンガン息つく暇がない程アピールをしてきた場合、
『ゆっくり買い物を楽しみたい』自分と、『甲高い声色・マシンガントーク』の店員のペースがまったくかみ合っていない状況です。これでは居心地が悪く感じ、早々に店を出てしまいます。
声のトーンや話すスピードを感じ取り、同じ調子でそろえるのはペーシングには必須となります。ペーシングがうまくできている時は
・話をしていると心地良い
・この人とは合う気がする
と感じてもらえます。

状態を合わせる

人は言葉そのものよりも、声や表情から大きな影響を受けます。相手の状態がどうであるかを観察し、表情や視線、姿勢を合わせていきます
・部下が嬉しそうに報告をしてきたら、こちらも嬉しい気持ちで受け止める
・相手が座っていたら、目線を合わせるためにこちらも座る
・懸命に訴えてきたなら、こちらもジェスチャーを使ってそれに応える
ただし、やりすぎてしまうとわざとらしい、と感じ嫌悪感を抱いてしまうので、注意が必要です。日常的に無意識にできていることも多いので、意識を加えてより良いペーシングを心がけます。

呼吸を合わせる

相手が感情的に話していたり、話の内容が絡まり、そのことで本来の目的を達成dきない会話になると感じた時には、ペーシングをあえてストップすることが有効です。
・相手をクールダウンさせる
・現状を改めて把握する
このようなねらいで、ペーシングを外すことも手法の一つです。相手にペースを合わせている意識があるからこそ、外すこともできるのです。相手の呼吸を意識することで、ペーシングが必要か、そうでないかの判断ができるようになります。話がストップしてしまった際には、相づちなどで続きを促すような言葉を使って、意義のある会話に立て直していきます。

ペーシングの手法は“言語要素”と“非言語要素”に分かれる

ペーシングの手法は、言語要素と非言語要素の2つに分かれます。十人十色の性格がある中で、個性を引き出すポイントとしてこれらを組み合わせ、活用していきます。

言語要素

・相づち
・接続詞(もっと聞かせて!それでどうなった?など)
・相手の言葉を繰り返す(=リフレイン)
このような言葉を使って行う言語のページング。共通の話題や、関心のある事柄の話題提起も含まれます。自分の興味のあることや好きなことに触れられると、相手に対し心を許していくもの。
部下とのコミュニケーションをとる場合、部下である前に“個”として、相手を知りたいという高い興味関心を持つコミュニケーションを取ることは心がけていきたいものです。

非言語要素

表情や仕草、視線や聞き方など、行動で示すのが非言語のページングです。
・自分の目をよく見る相手であれば、なるべく視線を落とさずに聞く
・声の小さい相手には同じように小さい声で応える
・コミュニケーションをとるときには、適切な距離感を保つ
相手が自然と心地良いと感じているのは、非言語的ペーシングが深く関係しています。
例えば、立ち話をしている時に、相手が少しづつ、後退りしているような時に、それに合わせて近づいていませんか?これではペーシングができていません。相手にとって心地よい距離はもう少し離れた距離なのです。これは好き嫌いの感情とは別で『心地よい距離の違い』にすぎません。人にはそれぞれのパーソナルスペース、というものがあります。そこをキャッチできるコミュニケーションはスマートで好まれます。

ページングによる効果

営業や販売など、コミュニケーションスキルが必須となる場面でも活用されるペーシングですが、人材育成や社員のモチベーション維持にも役立ちます。ペーシングがうまくできると、どのような効果が実感できるのかについてみていきます。

相手に居心地の良さを与えられる

・使っている言語が同じ(方言など)
・同じ環境にいる、いた(同窓生や住まいなど)
など、自分と共通点のある人には、親しみを感じやすいものです。価値観や体験、感情など、相手を尊重する姿勢が大切です。相手に心地良さを与えられることは、快適な職場作りや、良好な人間関係を築く上でも非常に役立ちます。

信頼関係を構築できる

心を許し本音で話ができることは、部下の信頼を得る大きな一歩となります。信頼関係は、「ラポール形成(架け橋)」とも呼ばれる重要な要素の一つ。元は心理療法から生まれたものですが、今やビジネスシーンでもコミュニケーションを取る上で大前提とされています。心理学的にも、「良好な関係の二人は同じ動作をする傾向が強い」という“類似性の法則”が確立されているほどです。これを意図的に作っていくことがペーシングです。信頼とペーシングは密接な関係に位置づいているかがよくわかります。

【まとめ】ページングはビジネスでも日常生活でも役立つスキル

不安や緊張を取り払うために、相手にペースを合わせるペーシング。相手への苦手意識があったとしても、ペーシングを繰り返していくことで関係性は変わっていきます。相手の状態や気持ちを受け止め、ページングを最大限に活用し、信頼関係を築くことに活かしてください。
ビジネスシーンで上司が部下に合わせるときには、意識的な注意が必要です。聞く姿勢や話す雰囲気など、部下は上司に対して威圧感を感じやすいもの。良好なコミュニケーションのためには「何を伝えるか」ではなく、「どう伝えるか」という非言語的な観点を大事にしていくことが重要です。

発行者

下田まゆみ(公式プロフィールはこちら
Entresh(アントレッシュ)
経営者・事業主のエグゼクティブコーチ
女性管理職の自信を育てるコーチング
ICF(国際コーチング連盟)認定プロフェッショナルコーチ(PCC)
GCS認定プロフェッショナルコーチ
GCS認定講師(青山渋谷校講師)

下田まゆみ

コーチング無料体験講座

今回ご紹介した『ペーシング』もコーチングの基本スキル、といわれています。
・コーチングに興味がある
・コーチングを活かしたコミュニケーションを身に付けたい
など、コーチングについて知りたい方は90分の無料体験講座に参加してみませんか?
詳細はこちらからご確認ください。

コーチングセッション

・目標を達成したい!
・次のプロジェクトを成功させたい!
・悩みを解決したい
など、自分が次へ進むためにコーチングが役に立つのかを見極める時間として、無料オリエンテーションを受けてみませんか?
無料オリエンテーションの日程はこちらからご確認ください。

プレゼント

事業の「What」「How」の深掘りにつながるワークシートを無料プレゼント!!
プレゼントの受け取りはこちらをクリック

メルマガ登録


下田まゆみの記事の最新号をお届けしております。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です