1on1ミーティングをやっても部下が話してくれない3つの理由

Contents
1on1ミーティング、形だけになっていませんか?
「1on1ミーティングを導入したけれど、部下がなかなか話してくれない」
「何を話せばいいかわからないと言われてしまう」
「気づけば自分ばかり話していた…」
そんな声を、企業の管理職や人事担当者からよく聞きます。
制度として1on1ミーティングを導入しても、うまく機能しない。
それは、部下に“話す気がない”のではなく、話せる状態がつくられていないことが多いのです。
では、なぜ部下は話してくれないのか?
ここでは、1on1ミーティングがうまくいかない3つの理由と、そこから抜け出すためのポイントをお伝えします。
信頼関係ができていない
部下が安心して話せるかどうかは、1on1の内容以前に「上司との信頼関係」で決まります。
部下にとって1on1ミーティングは、上司との“評価者面談”の延長線に見えることがあります。
「本音を話したら評価に響くのでは?」という不安がある限り、当たり障りのない会話しかできません。
たとえば、初回の1on1ミーティングでいきなり「今の課題は?」と聞かれたら、部下は身構えてしまいます。
それよりも、まずは日常の出来事や最近の気づきなど、雑談レベルから始めて“安心感”を積み重ねることが大切です。
信頼関係は、「傾聴」「承認」「一貫性」でつくられます。
“話を聞いてくれる上司”という印象が定着して初めて、部下は少しずつ心を開いてくれるようになります。
1on1ミーティングの目的が曖昧になっている
「1on1ミーティング=上司への報告時間」になっていませんか?
目的が共有されていないと、部下は何を話せばいいかわかりません。
上司も「最近どう?」から始めてしまい、結局は業務報告や雑談で終わるケースが多く見られます。
1on1ミーティングは“進捗確認の場”ではなく、部下の成長支援の場です。
そのためには、最初に「この時間はあなたの成長や考えを一緒に整理するための時間です」と目的を明確に伝えることが欠かせません。
さらに、テーマを具体的に提示すると効果的です。
- 仕事で最近やりがいを感じたこと
- これから挑戦したいこと
- チームとして改善したいこと
こうした例を共有しておくと、部下も話しやすくなります。
目的を共有するだけで、1on1ミーティングは一気に“意味のある対話”に変わります。
上司の質問が「引き出し」になっていない
部下が話してくれないのは、単に“話したくない”のではなく、上司の質問が答えにくいことも大きな原因です。
たとえば「どうしたい?」と聞かれても、部下がすぐに答えられるとは限りません。
その前に、「どんなことが気になっている?」「最近どんな瞬間にストレスを感じた?」といった、焦点を絞る質問があると、話が自然に広がります。
また、1on1ミーティングの目的は“問題解決”ではなく、“理解を深めること”。
ついアドバイスしたくなる気持ちを抑えて、部下の背景や意図を探る質問を意識してみてください。
たとえば
- 「その状況で、あなたはどう感じていましたか?」
- 「それが起きたとき、どんなことを考えていました?」
このような質問があるだけで、部下は「理解しようとしてくれている」と感じ、安心して話せるようになります。
まとめ:話してくれないのは“部下のせい”ではない
部下が話さない原因は、スキル不足でも性格でもありません。
1on1ミーティングが「安心できる場」になっていないだけです。
- 信頼関係を築く
- 目的を共有する
- 適切な質問で引き出す
この3つを意識するだけで、1on1ミーティングの質は大きく変わります。
そして、これらを現場で実践できるようになるには、上司自身の体験学習が欠かせません。
ロールプレイを通じて体感し、「聞く」「引き出す」「信頼を築く」スキルを磨くことが、1on1ミーティングを“制度”から“文化”へと進化させる第一歩です。
おわりに:研修で「1on1ミーティングが変わる」実感を
Entresh Coaching Officeでは、
企業ごとの課題に合わせて1on1ミーティング研修を設計しています。
「形だけの1on1ミーティングを、意味のある対話に変えたい」
「管理職が部下の成長を引き出せるようにしたい」
そんな思いをお持ちの方は、世界有数の規模を誇り日本を代表する製造業グループ企業も導入した実践につながる研修で管理職の方のマネジメントをさらに向上させませんか?
ぜひお気軽にご相談ください。
1on1ミーティングが変われば、組織の関係性と成果が確実に変わります。
発行者
下田まゆみ(公式プロフィールはこちら)
Entresh Coaching Office(アントレッシュコーチングオフィス)
経営者・事業主・管理職向けのビジネスコーチング
ICF(国際コーチング連盟)認定プロフェッショナルコーチ(PCC)
ICF Japan Code&CC アンバサダー
ICF PCCマーカーアセッサートレーニング修了
GCS認定プロフェッショナルコーチ
GCS認定講師(GCS八王子校講師)

