話を聞くコツ
話を聞く
話を聞いてもらったのに、「なんだかスッキリしない」という経験をしたことがある方はたくさんいると思います。
話の聞き役として『話をしっかり聞いている』という自信がある、という方も意外と少ないものです。
友人との会話ももちろん大切ですが、上司として、部下、チームのメンバーの話をしっかりと『聞いている』『聞くことができている』ことは仕事の成果にも直結すると言っても過言ではありません。
今回は話し手が「聞いてもらった」「スッキリした」「うちの上司はわかってくれている」と感じることができる【聞き手】になるために大切にしていただきたい、すぐに実践できる1つをご紹介します。
無意識で使ってしまう否定語
イメージしてみてください。
「すみません。またミスをしてしまいました・・私ってダメな人です・・」と部下が十分反省して、落ち込んで報告してきたら、どんな言葉をかけますか?
「そんなことないよ。よくやってくれているよ。誰だってミスすることはあるよ」などと励ましたことがある方は多いのではないでしょうか?ダメな人と自己否定の言葉を発したら、「そんなことない」と言って励ましたいですよね。
続きもイメージしてみましょう。
部下「すみません。またミスをしてしまいました・・私ってダメな人です・・」
あなた「そんなことないよ。よくやってくれているよ。誰だってミスすることはあるよ」
部下「いえいえ、本当にダメなんです。昨日も取引先に怒られました・・」
あなた「そんなのダメじゃないよ。私も怒られたことあるよ」
部下「それだけじゃないんです。この間は、家の鍵を無くしました・・・」
あなた「でも、見つかったのでしょ。大丈夫よ」
とこのように、『そんなことないよ』と全力で否定してあげることで、部下はさらにそれを打ち消し、ダメな出来事を伝えてくる、ということも経験した方が多いのではないでしょうか?
この時、どのようなことが起きているかというと
「そんなことないよ」という言葉をしっかりみてください。そんなことない、と全力で部下の言葉打ち消している=否定しています。意味合いとしては部下を肯定してあげたくて発しているのですが、部下の脳には『この人は私を否定した』と潜在化に刻まれるのです。人は自分を肯定、認めてもらいたいので、否定されることで、さらに自分の主張を通そう、としてしまうのです。厄介ですね・・・
このように、善意の否定をされることで『この人は自分を否定して、受け止めてくれない』と潜在化に刻まれるので、話しを重ねれば重ねるほど、不満や聞いてもらっていない、と感じてしまうのです。
受け止める
ではこのような場合どのような対応すると良いのでしょうか?
【受け止める】ことがポイントです!!
受け入れるのではなく、払い除けるのではなく、【受け止める】のです。このちょっとした違いが大切です。
今回の会話を例にこの違いを見ていきます
受け入れる:あなた「そうなんだ、ダメな人だね」
跳ね除ける:あなた「そんなことないよ」(今回の会話パターン)
ということです。
【受け止める】場合は「今はそう感じているのね」という言葉で、受け入れることもせず、跳ね除けるもせず、受け止めています。一旦しっかり受け止めてから「今はそう感じているのね。私も怒られたことあるよ」と続けることで、否定語を使うことなく、共感できます。
このように受け止め、共感してもらえると、人は心が満たされ、「聞いてもらったおかげでスッキリした」のように感じることができます。まずは【受け止める】ぜひ、やってみてくださいね。
執筆:下田まゆみ
ENTRESH代表
エグゼクティブコーチ
ICF認定PCC
GCS認定講師
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