承認力とは？職場のコミュニケーションにおける上司と部下の関係を強化する方法

現代の職場において、承認力は非常に重要なスキルです。承認とは、相手の行動や存在をそのまま受け止め、評価せずに認めることを指します。これにより、上司と部下の関係を強化し、職場全体のコミュニケーションを向上させることができます。この記事では、承認力の本質とその実践方法について詳しく説明します。

この記事はこのような方のお役に立てます

• チームリーダー
• コミュニケーションに自信がない人
• 部下の褒め方がわからない人
  
  など
  
  

承認力とは？

承認力とは、相手の行動や存在を評価せずに認める力です。

承認とは、その事柄が正当だと認めること。もっともだと認めること。

Oxford Languages

一方で、褒めるとは「すぐれているとして、その人や事を良く言うこと」です。

褒めるとは、すぐれているとして、その人や事を良く言う。

Oxford Languages

この違いを理解することが、効果的な承認の第一歩です。
承認とは、相手、相手のやったことなどを、善悪という評価することなく、そのまま受け止める、認めることを言います。認めるって褒めるってことでしょ？と尋ねられることもありますが、私は【認める】とは【見止める】と考えています。この【見て止める】という認識をすることで、相手のこと、相手のやったことをそのままを受け止める、ことができます。

承認の重要性

職場のコミュニケーションにおいて、承認力は上司と部下の関係を強化するために不可欠です。承認を通じて、相手のモチベーションが高まり、信頼関係が築かれます。私の経験からも、日常の小さな行動を見逃さずに承認することで、部下のモチベーションが大いに高まることを実感しています。

例えば、私が娘を育てていた時期、毎朝家事をしていた私に対し、通りかかった男性が「よく働くね」と声をかけてくれました。この一言が大きな承認となり、私のモチベーションを高めました。このように、承認力は日常の中で大きな影響を与えるのです。

承認力を高めるための準備

承認力を高めるためには、観察と練習が重要です。観察では、相手の行動や考えをよく見て理解することが必要です。初めて会った人に対して承認することは難しいですが、日常的に相手を観察することで、承認の精度を高めることができます。

観察

観察から得た情報を基に仮定し、言葉を投げかけてみましょう。そして微調整を重ねることで、より効果的な承認ができるようになります。例えば、朝の掃除を見ていた男性が「よく働くね」と声をかけてくれたように、相手の行動を肯定的に捉え、承認することが大切です。

練習

観察から得た情報で仮定し、言葉を投げかけてみる。さらに微調整していくことで、大きな承認となっていきます。
先ほどの、私に声をかけてくれた方は練習などしていなかったと思いますが、おそらく、日頃から、物事を肯定的に捉えることができる方だったのではないかな、と感じます。人によっては、「こどもが小さいのに」とか「朝早くから掃除機の音を立てて」など、否定的な捉え方をしたかもしれません。


部下や家族、親しい友人など、関係性が近いほど、相手の『粗』が目についてしまうものです。それは、相手がもっと良くなるように、という老婆心ももちろんありますが、肯定的な視点、という観点からはNGです。
『事実は1つでも真実は人の数だけある』という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。これは起きている事、そのこと自体は1つですが、右から見た人と左から見た人、上から見た人、下から覗き込んだ人では、同じものを見ていても違う形、違う色に見えることもあります。このように考えたとき、相手のこと、相手のやっていることにも、自分が今見えている面ではない他の面がある、と捉え、その他の面から見てみることで、肯定的な面が見えてくるのです。これは、どんなことでも、また電車に乗っている時も「これを他の面から見たらどんなふうに見えるのかな」と繰り返していることで、できるようになってきます。いろんな面で捉えられる自分を見つけた時、嬉しくなりますよ。ぜひ、やってみてください。

『承認』の具体的方法

承認のやり方はたくさんあります。今回は『承認』を意識的に取り入れたい方が、すぐに取り組みやすい方法を2つご紹介します。

「I(アイ) メッセージ」で伝える

I(アイ)メッセージ、と聞いたことがある方も多いと思います。私を主語で話すことです。「私は〜〜〜〜〜」という伝え方です。一方、「You(ユー)メッセージ」とは「あなたは〜〜〜〜〜」という伝え方です。このYouメッセージは、決めつけ、になってしまいます。例えば、「いつも髪の毛が綺麗ですね」こう言われたら、大抵の日本人は「そんなことないです」と謙遜します。謙遜された言葉は跳ね返されており、受け取られていないのです。これはYouメッセージの残念なところです。
では、これをIメッセージで伝えると「〇〇さんの髪の毛はいつも綺麗だな、と感じているんです」となります。このメッセージは言った本人の感じたことですから、相手（言われた人）は否定することはできないのです。＝受け取ってもらえるのです。これがIメッセージのメリットです。『承認』は相手に受け取ってもらうことが大切です。

相手に相談を持ちかける

相談されてイヤな気持ちになる人は少ないと思います。自己有用感を感じられることに喜びを感じる人が多いです。自己有用感というのは「自分が誰かのためになっている」という感覚です。人は誰かに貢献できることに喜びを感じるのです。
相談をされる、ということは、自分を頼ってくれている、信頼してくれている、期待されているということが伝わります。そのことで、相手はモチベーションが高まっていきます。これが『承認』の力です。

承認力を職場で活用する

承認力は、上司と部下の関係を強化し、職場全体のコミュニケーションを向上させるための重要なスキルです。上司が部下を承認することで、部下の自信が高まり、モチベーションが向上します。また、承認力を持つことで、チーム全体の生産性やパフォーマンスが向上します。

例えば、チームでのプロジェクトや日常業務において、部下の小さな成果や努力を見逃さずに承認することで、チーム全体の士気が高まります。これにより、職場環境が改善され、より良い成果を生み出すことができます。

まとめ

承認力は、相手の行動や存在を評価せずにそのまま受け入れることで、上司と部下の関係を強化し、職場のコミュニケーションを向上させるための重要なスキルです。観察と練習を通じて承認力を高め、Iメッセージや相談を通じて実践することで、より効果的な承認が可能になります。

このブログを通じて、承認力の本質を理解し、その実践方法を学ぶことで、皆さんの職場でのコミュニケーションスキルが向上し、上司と部下の関係がより良くなることを願っています。承認力を日常的に活用し、職場のコミュニケーションを強化しましょう。

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発行者

下田まゆみ（公式プロフィールはこちら）
Entresh Coaching Office（アントレッシュコーイングオフィス）
経営者・事業主のエグゼクティブコーチ
管理職の自信を育てるコーチング
ICF（国際コーチング連盟）認定プロフェッショナルコーチ（PCC)
PCCマーカーアセッサートレーニング修了
GCS認定プロフェッショナルコーチ
GCS認定講師（八王子校代表）

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