円滑なコミュニケーションに必須の『承認力』


この人と話していると「やる気が湧いてくる」「ついつい話してしまう」「また会いたい」と感じる人に出会ったことはありますか?その人は他の人と何が違うのでしょうか?



この記事はこのような方のお役に立てます

  • チームリーダー
  • コミュニケーションに自信がない人
  • 部下の褒め方がわからない人

    など

承認とは?

承認とは、相手を褒めること、と認識しているためにできない人も多いようです。承認と褒めるを調べてみると、

承認とは、その事柄が正当だと認めること。もっともだと認めること。

Oxford Languages

褒めるとは、すぐれているとして、その人や事を良く言う。

Oxford Languages

承認とは、相手、相手のやったことなどを、善悪という評価することなく、そのまま受け止める、認めることを言います。認めるって褒めるってことでしょ?と尋ねられることもありますが、私は【認める】とは【見止める】と考えています。この【見て止める】という認識をすることで、相手のこと、相手のやったことをそのままを受け止める、ことができます。

承認するための準備

承認は職場、家庭、友達付き合い、どんな人にも使うことができるコミュニケーションスキルのひとつです。
スキルとは『教養や訓練を通して獲得した能力』(weblio)ですから、コツを知り獲得していくものです。
準備は2つ。観察と練習です。

観察

承認は、相手の存在そのもの、相手のした行動についておこうなうものです。ですから、相手が何を考え、何が好きで、何に心を動かされるか、どんな言葉を好んで使うか、など相手をよく観察することが必要です。初めて会って、初めて言葉を交わす人をいきなり承認することはできません。逆に、初めて会った人に承認されてもその内容を信じることはできません。

この観察について、私の過去の体験です。
長女がまだ1歳になる前頃のある朝、ゴミ出しのために玄関を出たところで、家の前を通りかかる男性に話しかけられました。「奥さん、私、毎日ここを散歩するのだけど、毎日、感心してるんだよ。よく働くね」
この頃の私のモーニングルーティンは、夫が6:30に出かけた後に、家中の窓を開けて掃除機をかけていました。まだ1歳になる前の娘が起きてからはゆっくり家事もできない、と思い(娘が寝ている部屋の音声を聞くことができるモニターで起きていないかを確認しながら)、暑い日も寒い日も、窓全開で。それを毎朝見ていた方が、こんな言葉をかけてくれたんです。この方の言葉に私は、涙が出そうになり、『救われた』気がしました。
私が日々やっていることのスケジュールなんて、一緒に住む夫だって知らなかったこと。それを、名前も知らない方ではありましたが、毎日見てくれていた、そんな方の一言は、大きな【承認】となり、私の頑張るモチベーションになったのです。

練習

観察から得た情報で仮定し、言葉を投げかけてみる。さらに微調整していくことで、大きな承認となっていきます。
先ほどの、私に声をかけてくれた方は練習などしていなかったと思いますが、おそらく、日頃から、物事を肯定的に捉えることができる方だったのではないかな、と感じます。人によっては、「こどもが小さいのに」とか「朝早くから掃除機の音を立てて」など、否定的な捉え方をしたかもしれません。

部下や家族、親しい友人など、関係性が近いほど、相手の『粗』が目についてしまうものです。それは、相手がもっと良くなるように、という老婆心ももちろんありますが、肯定的な視点、という観点からはNGです。
『事実は1つでも真実は人の数だけある』という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。これは起きている事、そのこと自体は1つですが、右から見た人と左から見た人、上から見た人、下から覗き込んだ人では、同じものを見ていても違う形、違う色に見えることもあります。このように考えたとき、相手のこと、相手のやっていることにも、自分が今見えている面ではない他の面がある、と捉え、その他の面から見てみることで、肯定的な面が見えてくるのです。これは、どんなことでも、また電車に乗っている時も「これを他の面から見たらどんなふうに見えるのかな」と繰り返していることで、できるようになってきます。いろんな面で捉えられる自分を見つけた時、嬉しくなりますよ。ぜひ、やってみてください。


『承認』の具体的方法

承認のやり方はたくさんあります。今回は『承認』を意識的に取り入れたい方が、すぐに取り組みやすい方法を2つご紹介します。


「I(アイ) メッセージ」で伝える

I(アイ)メッセージ、と聞いたことがある方も多いと思います。私を主語で話すことです。「私は〜〜〜〜〜」という伝え方です。一方、「You(ユー)メッセージ」とは「あなたは〜〜〜〜〜」という伝え方です。このYouメッセージは、決めつけ、になってしまいます。例えば、「いつも髪の毛が綺麗ですね」こう言われたら、大抵の日本人は「そんなことないです」と謙遜します。謙遜された言葉は跳ね返されており、受け取られていないのです。これはYouメッセージの残念なところです。
では、これをIメッセージで伝えると「〇〇さんの髪の毛はいつも綺麗だな、と感じているんです」となります。このメッセージは言った本人の感じたことですから、相手(言われた人)は否定することはできないのです。=受け取ってもらえるのです。これがIメッセージのメリットです。『承認』は相手に受け取ってもらうことが大切です。

相手に相談を持ちかける

相談されてイヤな気持ちになる人は少ないと思います。自己有用感を感じられることに喜びを感じる人が多いです。自己有用感というのは「自分が誰かのためになっている」という感覚です。人は誰かに貢献できることに喜びを感じるのです。
相談をされる、ということは、自分を頼ってくれている、信頼してくれている、期待されているということが伝わります。そのことで、相手はモチベーションが高まっていきます。これが『承認』の力です。


まとめ

承認は、ちょっとしたコツをつかむことですぐに使うことができるスキルです。
大事なのは相手を尊重すること。そのことで、相手を肯定的に捉えることができ、相手に頼れる自分になれるのです。
承認によって、自信をつけた相手はモチベーション高く前進できます。
生産性が上がり、高いパフォーマンスを維持するチーム作りに承認は必須です。





発行者

下田まゆみ

下田まゆみ(公式プロフィールはこちら
Entresh Coaching Office(アントレッシュコーイングオフィス)
経営者・事業主のエグゼクティブコーチ
管理職の自信を育てるコーチング
ICF(国際コーチング連盟)認定プロフェッショナルコーチ(PCC)
GCS認定プロフェッショナルコーチ
GCS認定講師(青山渋谷校講師)

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